★中国共産党内の権力闘争について
現在、中国の中央での派閥は
「共青団」、「太子党」、「上海閥」である。そのうち太子党と上
海閥とは同盟関係にあり、事実上は共青団と太子党の二大派閥といえるだろう。共青団とは中国
共産主義青年団の略称で、共産党の若手エリート団員を育成する青年組織である。団員数はおよ
そ7500万人以上と推定される。 共青団出身者で各地共産党内部で活躍している 人々を「団派」
と呼んでいる。団派は鄧小平が育てたインテリ階層であり、共青団という組織を上り詰めてきた
現行の執行部をいい、その代表が胡錦濤や温家宝であった。
団派が勢いを得たのは、2002年、胡錦濤が総書記に就任したことによる。その後、徐々にその
勢力を拡大しています。2006年以降、省党委書記(及び市党委書記)が、省長(副書記)が共青
団出身者という構図が多く見られる。かって地方共産党のトップの上海幇(江沢民をトップに戴
く上海閥)で占められていましたが、徐々に共青団出身者にとって代わられている。
もう一つの太子党とは中国共産党の高級幹部の子弟等で特権的地位にいる人たちのことであ
る。親の七ひかりで要職についている者である。コネで出世しているので、不祥事を揉み消した
りといろいろと評判が悪いが、豊富な資金を背景に様々な経験を積んだ者もいる。そしてこれら
の関係をややこしくしているのは上海閥である。これは江沢民が上海にいた関係で現在の常務委
員のうち6人が上海閥である。悪いことをやりたい放題やってきたのがこの上海閥である。多くの
国営企業が江沢民グループの影響下にあり、企業活動を通じて得られた莫大な富を保有してい
る。党内での影響力は極めて大きい。政策的には団派が中国の遅れた貧しい人々の地位の向上に
熱心で、は革新的であり対外的には温家宝がそうであるように協調的である。
一方、太子党は自分たちの利益を最大限に維持することに熱心で保守的な体質を持ち、江沢民氏
そうであるように外交的には常に強権的な手法を好む。